とりあえずHRが終わったタイミングで、しょぼんとした雰囲気をまといながら屋上へと歩く。


こんなときに授業なんか受けてられないもん。


……もともと、まとに授業を受けたことなんかねぇけど。


屋上に設置してあるベンチに横たわり、晴れ渡る空を見上げる。


こうしてると、栗崎と出会った日のことを思い出す。


こうやって寝てるところに、偉そうな栗崎が来たんだっけ。


自分のケータイの番号とアドレスを書いた紙をうちに押し付けようとして…。


あのときはまさか、栗崎とこんな関係になるなんて想像もしなかった。


どこかで歯車が動き出して、どこかでうちの運命が変わった。


そんなことを考えていると、不意に頬を熱いものが伝わった。


自分でも驚いて起き上がると、手で頬に触れる。


「……泣いてる…?」


そう自覚したら、涙がとめどなく溢れてくる。


何がそんなに悲しいのか、何がそんなに苦しいのか、涙の出る理由はわからないけど、ただひたすら涙が溢れた。