青い空。
流れる雲。
綺麗な太陽。
文句ひとつない晴れ渡った空。
なのに、うちの心は曇天。
昨日、栗崎とやっと付き合えることになったのにも関わらず。
昨日の夜、パーティで盛り上がったのにも関わらず。
どこか、気持ちが沈んでるのはなぜ?
「おっはよー、稜ちゃん」
学校について早々、人の目もはばからず後ろから抱きつく栗崎。
「朝からごちそう様です」
はーっとため息交じりに苦笑した綾村。
「え、先輩はこういうことしてくれないんですか?」
甘えた猫なで声でキュッと彼の腕に抱きつく聖華。
みんなみんな、うちの大事な親友であり、恋人。
不良が言うのもなんだけど、この人たちと何事もなく平和に暮らしていたいって思う。
それが今、脅かされそうだから、曇天なのかな…。