恐る恐る言ったうちの言葉に、組長は恐ろしい笑みを見せた。
「お前が、栗崎の息子さんと結婚すりゃいいんだよ!!」
「……はぁ!?!?」
け…け、けけけ…け、
……結婚!?
うちと栗崎が!?
…想像すらできないんだけど。
「というか。栗崎の息子さんが、吉岡美麗との結婚を断ればいいんだ。
お前が、栗崎の息子さん結婚を辞めるように仕向けられれば___」
「ちょっと待ってください!!
いくら組長の考えって言っても、そこまではうちの踏み込む域じゃないです。
そりゃ、お世話になった岸田組に被害が行くのはうちだっていやだし、ムカつきますけど……。
栗崎の家のことは、栗崎が決める事だし、もっと他の方法ってないんすかね……」
尻すぼみしていくうちの言葉に、組長もちょっと驚いたような顔をしていた。
「……まぁ、無理にとは言わねぇよ。
気が向いたらやってみてくれ」
うちの大好きな笑顔で言って、組長はうちの肩を叩いた。