うちの言葉も無視して、しばらく考えていた組長はパッと顔をあげた。
「そうだ。お前、栗崎の息子さんとどうなってんだ?」
「はぁ!?」
急に何を言い出すかと思ったら。
「どうって…」
「付き合ってたりしねぇのかって」
え、なに。
組長ってもしかして超能力者?
「……付き合ってますけど…」
一応ね、ついさっきから。
「それだ!!」
親指を立てて、うちの方へ差し出す。
「それだって……」
「栗崎の親父さんは、吉岡建設との提携を図ってるって言っただろ?
だけど、提携するためには、自分の子供同士を結婚させなきゃいけねぇねんだよ。
ってことはだぞ?」
ちょっと興奮気味の組長の話を、足りない頭で必死に整理する。
「栗崎の息子さんが、その結婚話を断ったとしたら。
栗崎の親父さんにとっては大打撃になるわけだ」
そこまではちゃんと理解できたけど。
「それで、うちが栗崎と付き合ってることはなんか関係が……」