「お前の所為で時間遅れまくったんだよ」


香矢に聞こえないようにできるだけ声を低くして、栗崎を責める。


相手は栗崎だったんだ・・・。


親父たちに怒られることになる原因を作った張本人。


ホント、こいつウゼぇ。


「ってか、もう二度と電話してくんな」


きっとまた用事なんてないんだろうと踏んだうちは、早々に電話を切ることにした。


「ちょ・・・・・・」


栗崎がなんか言ってたけど、知らん振りして電話をぶっち切った。


「誰からだよ。男か?」


そう言った香矢はもうイライラしてなくて、面白がっている様子だった。


「違ぇよ。イタ電」


「ホントかぁ?今の相手とお楽しみしてたから遅れたんじゃねぇの?服だって乱れてたし」


笑って冷やかすように香矢は言う。


「バカか、てめぇ」


半分喧嘩腰で香矢を睨んだ。