バンっと音が倉庫に響いて扉が開け放たれた。


一瞬静寂が倉庫を包んだ。


「……おいでなすった」


立花がうちらを見てニヤッと笑った。


「信二!?」


慌てて信二を探すが、どこにも見当たらない。


やられてるんだとしたら、どこかに倒れてるはずなのに……。


「岸田さんよ~。あんたんとこの信二っての、だいぶ手ごわいっすね」


「あぁ?」


立花の言っている意味がわからず、組長が聞き返す。


「組長、信二がいないんですけど」


「なんだと?いねぇって、どういうことだよ」


組長と立花の話をさえぎって、報告を入れる。


怪訝な顔をして、一緒にあたりを見渡す。


……やっぱり、どこにもいねぇ。


「だから。聞いてました、岸田さんと稜ちゃん?」


「稜ちゃんって呼ぶな、あほ」


若干呆れ顔の立花は、驚きの言葉を吐いた。