とにかく、今は信二を助けることが先と、組長と二人で事務所を出る。
自分のバイクにまたがって、裏町を目指す。
組長は何も言わないけど、顔と体中から発せられるオーラは怒りに満ちていた。
40分の道のりが、1時間にも感じられる。
やっとたどり着いた裏町の第四倉庫。
周りは薄暗く、ほとんど人の姿も見えない。
第四倉庫の前に立ってみても人の気配がしないのは、目の前にあるシャッターが分厚いから?
シャッターの端っこについているドアを開けて、中に進む。
外にも増して倉庫の中は暗い。
奥へ進んでいくと、ほんのりと明かりが差してきて、他に部屋のようなものがあることがわかる。
「ここだな」
そのうちの一つ、固く閉ざされた扉の奥から人の声が聞こえてくる。
「……いっ…」
「信二!?」
扉の奥から聞こえたうめき声。
もしや、信二がやられてるんじゃ……。
「入るぞ、稜。覚悟はいいな?」
「ったりめーだ。あいつらぶっ飛ばしてやる」
組長と同じく、どす黒いオーラを放ちながら、うちらは扉を開けた。