閉められたドアを見つめて、呆然としながらため息をついた。


「なんだってこんな……」


栗崎の親父に恨まれるようなことなんてしてねぇし、第一栗崎の親父に会ったことすらない。


それでいてわざわざ組員使ってうちをこんなところに監禁するなんて、よほどのわけがないとしねぇよな。


それに、栗崎はうちのことが好きなわけで。


いや、でも逆にだからか?


うちみたいな不良と自分の息子を一緒にするわけにはいかねぇってことか?


だとしたら納得は行くけど……。


しばらくここにいろって言われたけど、いったいいつまでいればいいんだよ。


大体腹も減ってきたし、手は痛いし……。


「あーもうっ!!」


やけ気味に叫んで、ソファに寄り掛かる。


この状態から立ち上がるのって難しいんだな。


何度か挑戦してはみたけど、やっぱり無理だった。


なんもねぇし……とにかく暇だな。


もう寝ようか、こうなったら。


この体制で寝るのはちょっと辛いかもしれないけど、もう知らない。


ちょっと体制を整えて、眠りについた。