「ん……ぅん…」
うちが目を覚ましたのは、頭の上でドスドスと音がしたから。
「んっ!?なんだよ、これっ」
足は自由に動くと思ったら、手は後ろで縛られていた。
目隠しはされてないから自分のいる場所を見渡してみる。
「なんだっていきなりこんな状況なわけ」
そう呟きながら見渡してみると、どうやらどこかの家らしい。
台所らしきものが見えて、自分が寝かされているのはソファ。
そのソファの前には小さなテーブルが置いてあるのを見ても、家の一室であることは分かった。
頭上で音がしたのは、この家に2階か3階があるということを示していると同時に、この家にはうちだけじゃないってことがわかる。
とりあえず立ち上がってドアによってみる。
回すタイプのドアノブのため、体重をかけてみてもどうしようもないことが分かった。
「チッ…」
小さく舌打ちして、ドアに背を向けると、手の感覚だけでドアノブを回してみる。
すると、急に回してないはずのノブが回って、驚いているとドアがガチャっという音と共に開いた。