「うん、よくわかったね」
きっと電話の向こうじゃいつも通りの怪しい笑みを浮かべていることだろう。
「よくわかったね、じゃねぇよ。なんでお前がうちの電話番号知ってんだよ」
「こっちは会長だよ?先生とか生徒たちに聞けば、いくらでもわかるさ」
「で?誰に聞いたんだよ」
「先生かな」
曖昧に答える栗崎にイライラを覚えながら次の疑問をぶっきら棒にぶつけた。
「何の用だよ」
「別に用はないけど」
ハァ!?
用がねぇのに電話してくるとかマジであり得ねぇんだけど!!
「・・・・・・・」
栗崎のバカさに呆れ返って言葉が発せないでいた。
そして、ブチっと電話を切って乱暴にケータイを閉じると靴を脱ぎ捨てて中ランのポケットに手を突っ込んで自室へと大股に歩いて行った。