「家に、誰もいねぇの？」
「さぁ･･･香矢と三波はいると思うけど」
兄貴たち、部屋にいるのかな?
「兄貴っ!!」
呼んでみたけど、返事はない。
「返事ねぇから、いねぇんじゃない?」
「さぁね。･･･ほら、中に入りなさい」
おばあは部屋の中に入って行った。
仕方ないから、入ろう。
そう決めて靴を脱ぎかけたとき、ポケットの中のケータイがけたたましい音を立てて鳴り響いた。
いや、家の中だからけたたましく鳴り響いたように聞こえるだけで、実際にはあんまり音は大きくない。
ディスプレイをみると、"非通知"。
イタ電はしょっちゅうだから別に何も考えず電話に出た。
「もしもし？」
「あ、稜?」
こ・・この声は－･･････!?
「く・・栗崎!?」
