でも、時間分かんなきゃ・・・って迷ってる間にも時間は過ぎてるんだっ!!
大事なことに気づいたうちは、栗崎に「じゃ」とだけ言って高速で階段を駆け下り、駐輪所でバイクに鍵を挿して猛発進させた。
後ろの方で、栗崎が叫んでたような気がするけど、振り向かないことにする。
「ただいまぁっ!!」
バイクを飛ばすこと15分。
なんか知んないけど途中の道で渋滞が発生してて、いつもなら5分でつくところが、15分もかかった。
やっと、家に辿り着いたうちは、もうイライラが頂点に達しそう。
渋滞の原因はしょーもない素人ドライバー同士の接触事故。
我慢しきれなくなったうちは、大声で「さっさとしやがれバカヤロー!!」って叫んでやったけど。
大声で叫んで乱暴にバイクの鍵を抜き、ふんぞり返るようにして正門までやってきた。
その足取りは自棄気味。
途中ですれ違った子分たちがビビってた。
「おいっ!!親父っ!!今、何時だ!?」
正門を入って玄関の扉を開け、いるとも分からない親父に向かって叫んだ。
中から出てきたのは親父でもじいでもなく、おばあだった。