靴を履き替えて、2年生の教室がある階へと移動する。


「おはよー」


という声とともに教室のドアを開く。


その瞬間、8時半を知らせるチャイムが鳴る。


「お、珍しく稜が遅刻じゃねぇ」


「ほんとだ。稜おはよ」


クラスメイトが思い思いに声をかけてくる。


適当にそれに応えて、席に着く。


相変わらず、一番後ろの席。


チラッと聖華の方を見ると、嬉しそうな、満足そうな顔をしてる。


どや顔を返して、みどり先生が来るのを待つ。


みどり先生に会うのも、久しぶりだ。


ガラっとドアが開いて、みどり先生が相変わらずの佇まいで入ってくる。


それと同時に委員長の号令がかかり、立ち上がって挨拶してるけど、うちはもちろん座ったまま。


「はい、出欠をとります」


消え入りそうな小さな声で、みどり先生が言った。


こりゃ、クラスのいじりがエスカレートしてるな。


ニヤニヤしながら、自分が呼ばれるのを待つ。


女子の"ま"だから、呼ばれるのは最後のほう。