でも、それだと栗崎は政治家の息子ってことじゃん。


だいぶすごい人だと思うんだけど……。


そりゃ生徒会長にもなりますわな。


「でも、それと香矢の音信不通は何の関係があんだよ」


「音信不通て…」


その言葉が引っかかったのか、苦笑いをしながらも香矢は話を続ける。


「いや、親父と校長にな、あいつの身の上調査を頼まれてたんだ。


もともと、裏金入学してるようなもんだし、生徒会長になったのだって、親父のお陰って言うか圧力だし。


校長が自分で調べてもよかったんだけど、それだとほかの先生に怪しまれる可能性があるからって俺に頼んできたんだよ」


裏金入学ってことは、校長と教頭くらいしか知らないだろうし、そこは納得がいくけど。


「どうして、親父まで?」


「最近お前と栗崎が親しげだって言うから」


ニヤっとしながら言う。


……ムカつく。


その苛立ちをなんとか抑えながら、はぁ?と聞き返す。


「あれでも親父なんだな。いくら不良っつったって娘は娘だからな。


大事な娘が男と親しくしてれば、それがどんな間柄のやつであろうとちゃんとしたやつかどうか気になるんじゃねぇの。


三波に頼んだって絶対やってくれねぇから、俺んとこ回ってきたってわけ」


もう呆然とするしかない。


親父に見つかってたなんて。