「……」


「……」


しばらく二人とも黙りこくってる。


何のために彩夏ちゃんはうちに来たんだってことになるんだけど。


「…香矢は__」


「え?」


少し唐突に口を開いた彩夏ちゃんに過剰に反応する香矢。


「香矢は、私のこと好きなの……?」


「えっ……」


あら…。


意外と深刻な話かもしれない…。


聞いちゃまずい感じじゃね?


かと言って今から動くのもなかなか大変だと思う。


どうしよう……。


数々の修羅場を潜り抜けてきたうちだけどこういうのは初めてだ…。


彩夏ちゃんの問いかけに香矢はチラっとうちを見て、向こう行けとでも言いたげな顔で顎をしゃくってみせた。


そういうことされて大人しく引き下がるようなうちじゃない。


「いやだ」


と口の動きで香矢に示す。


ついでに、べーっと舌を出してやった。