「よっ、佐渡!」


片手をあげて軽くアイサツされた。


一緒にいて暑苦しくなるくらい、パッとした笑顔。



『高瀬ハル』。
私の幼馴染み。



「ごめんハル。それじゃ」


ハルの横を通り過ぎようとすると、腕をぎゅっと掴まれた。


「待てよ。どこ行くの?」

「体育館の側の段ボール、取りに来ただけだから」

「ふーん……」



ハルの顔から笑みが引いていく。




真剣な眼差しになる──。