「何処に行くの?」


私は答えなかった。
小暮さんは抱きしめてくれて


「後で旦那様には伝えておくから、落ち着いたら連絡してね」


「はい」


優しい声に私は頷き離れる。そして振り向くと後ろから


「航様には…」


私は小暮さんの言葉に首を横に振り歩いていく


そして誰にも会わないように裏の門からお屋敷を出て駅に向かった