「…菜津実ちゃん」


目を真っ赤な私を見て小暮さんは悲しそうな顔。多分小暮さんも知っているのだろう


「…小暮さん、ちょっと出かけて…きます」

私の顔と手に持つ大きめな鞄を交互に見て察してくれたのか


「菜津実ちゃん、これ私の携帯番号だからなにかあったら直ぐに電話して。」


「はい」


その場でメモに書いた番号を受け取ると鞄の中に閉まった