「って帰るか!!」

急にドアが開いた。

バキューム!!!

鈍い音がした。

勢いよくドアを開けたので、ドアが壊れたのだ


「何がバキューム!!だよ!!?」

荒れ狂う山田は止まらない。
そしてツッコム場所が可笑しい

「おまえどうしてくれるんじゃ、ああん?ドアが壊れてしもたやないか?」


「そ…それは僕の美貌で直―」


「てめえの美貌でドアが直せるなら、地球温暖化はとっくに止まっとるんじゃ!!!ボケェ!!」


―んなムチャクチャな!!


と、名無しナルシストは思ったが、口には出せない。怖いから


「まぁお前さんがそこまで言うのなら、直してみーや。ドア」


「…」

名無しナルシストは思った。


―美貌で直せるドアなんて存在しない。

―いや唯一直せるとしたら、心のドアぐらいしか…


そこまで考えがいったとき、山田のアッパーカットが炸裂した。


「ぐっ…」

一瞬、何が起きたのか判断出来ない。
そして痛みが支配していく。


一メートル程ぶっ飛んだ名無しナルシストに、山田が近づく


「どうした、名無しナルシスト。直す自信がないのか?」


「い…いや、あの…その…」

上手く言葉に出来ない。いや、考えられない状態だった。

恐怖が支配しているから。