産まれてきたこと、生きることが罪なのだ。産まれながらにして、龍華朔緋は罪人だった――それが父親の見解だ。


 罪人を野放しにするなんて、そんな恐ろしいことはできない。だから閉じ込めるのだという。一体何が罪だというのか。


 何年も閉じ込めるくらいなら、いっそ殺せばよかったのだ。そうしないのは、決して情けからくるものではない。ただ単に、殺すだけの勇気がないのだ――


 ――そして、朔緋もまた。そう悪態をつく割には、死ぬ勇気なんてない。