私は緊張気味で携帯を耳にあてる。

幸は携帯を耳にあてたまま、私に人差し指と親指で○をつくって私に合図してきた。

どうやら光と納留とも連絡がついたようだ。

あとは千だけ…。

長い間の呼び出し音を経て、千が電話に出た。

「…はい。」

静かに千がしゃべった。

「秋花だけど…あのね…。」

私は千に、花火大会で東西と別れようとしていることを話した。

「お前は本当に勝手だな。東西をすぐに捨てるのか?」

千は少し怒っていた。

無理もない。

こんな身勝手極まりない私に嫌悪心を抱かないはずもない。

「…ごめんなさい。来なくていいから…。」

プツッ…。

電話を切って、私は泣いてしまった。