恋愛とは別に、部活の引退試合は着々とせまってきた。

正直、恋愛の事で悩んでなんかいられなかった。

部活では部長の幸がみんなに毎日カツを入れていた。

毎日部活ばかりしていた。

勉強なんて手もつけていなかった。

とにかく引退試合で少しでもいい成績を残したくて、後悔する試合をしたくなくて一生懸命だった。

隣コートでは部長の東西をはじめとして、男子部員が練習に精を上げていた。

夏休みに入ってからも東西と毎日メールはしていたが、遊んだりはしなかった。

お互い、部活の引退試合の事で頭がいっぱいだったんだろう。

部活を終えて帰ってくると、私は部活の仲間にミサンガを編み続けた。

一つ一つ丁寧に、みんなが勝てるように想いをこめてつくった。

あっという間に引退試合の日になってしまった。