その後は東西と一緒に戻っていった。

教室の前でわかれる時、東西が行った。

「帰り、送ってくから。一緒に帰ろ?」

いいよ…そう言おうとした時、私の横を千が通っていった。

時が止まったような感覚に襲われた。

私と千の間にだけ、スローモーションで風景が入ってくる。

千は冷めた目で私を見ると視線を戻して行ってしまった。

「川瀬?」

止まっていた私を心配したのか東西が声をかけてきた。

「ああ!!ごめん!!今日は裕ちゃん達と遊ぶから…。」

「そっか…じゃあまたメールするからな!!夏休み長いけど、たまには息抜きしに行こうな!!」

「うん。またね!!」

私は東西に踵を返し、教室へと戻った。