夏休み前日。

今日は終業式だ。

式は宝のペースで順々と終わっていく。

「教室戻ろ♪」

「うん!!」

裕貴が声をかけてきたので私は返事をした。

話をしながら階段を登っていると、急に誰かに腕を掴まれた。

「きゃっ…!!暁君?!」

驚く間もなく、暁君は言った。

「じゃあな!!半人!!手伝ったからな!!」

そして暁君は裕貴と何やら話し、一緒に行ってしまった。

「え…東西…何?」

何が起こるのかが予想できたため、緊張して言葉がつまる。

「あ…あのさ…その…」

「うん…」

東西はうつむいて真っ赤になっていた。

「川瀬がすきなんだ…付き合ってください!!」

東西は頭を深く下げた。

私は少し間をおいて言った。

「うん、いいよ。」

「…ありがとう!!」

東西はすごく照れながら笑っていた。