学校に到着し、クラスで軽く会を済ませ、バスを後にした。

迎えを探しているとお父さんが走ってきた。

「秋花。お帰り!!車あっちだから、行くぞ。」

お父さんはそう言うと私の手から荷物をとり、歩き出した。

私もお父さんの後について歩き出した。

車に乗り、家に帰った。

私はすぐに千に電話をかけた。

プルルル…ガチャ。

「はい。」

「あ、秋花だけど…」

「おお。おかえり~!!楽しかったよな!!」

「あ…うん。そうだね。」

千が話を繋ぐから切り出しにくい。

「あれだよな。2泊じゃ足りないよな!!」

「うん。…あのねっ…千っ!!」

「…別れ話なら聞かねえぞ。」

千の口調が変わった。

「え…?」

「気にしてんだろ。黄金が告ったこと。」

「そんなんじゃないよ…。もうちょっと裕ちゃんの傷が癒えるまでそばにいてあげたいの…。」

「それは黄金からしたら嫌味になるんじゃねえの?」

「そうかもしれない…。でも、今のままじゃ千とは付き合えないよ…。」

「しょうがねえな…。」

千がどんな顔をしているのかがなんとなく想像できた。

私は千との終わりを…覚悟していた。

「俺、待つから。」

…意外な言葉だった。

千はどこまでも優しかった。

「だから…いつか俺のとこに戻ってこい。ずっと待つから…。」

「千…ありがとう…。」

プツッ…プープープー…