バスに乗ると裕貴達はもうそろっていた。

｢｢秋花遅え!!｣｣

「ごめん。」

そして最後列の席に５人横一列に座ると、裕貴が静かに話し始めた。

「私は今朝、千君を呼び出して告白をしました。"好きです。付き合ってください!!"と言いました。そしたら千君は"好きな人がいる"と言いました。こうして私の恋は終わり、私はフラれたという事で…ん"っ…ずっ…!!」

笑って話していた裕貴の目からは涙がこぼれ、みるみるうちに涙声になった。

私には何もできなかった。

そう…あの日の姫と同じように…。

そうこうしていると先生が来た。

「最後列の５人!!自分の席に戻って!!」

ようやく裕貴は泣きやむと、私に言った。

「次は、最っ高の恋愛したいなあ!!」

私は心の中で裕貴に何度も何度も謝った。

私はもうこんな自分は嫌だ…親友の痛手を癒してあげられないなんて親友じゃない!!

私は彼氏なんかより、親友の方がずっと、ずっと大事!!

私は携帯を取り出して、メールを打った。

"送信 千"

『学校着いたらメールして!!時間合わなかったら帰宅して!!私も帰ったら、ちょっと電話する!!』

ピッ…パチン…