「秋花!!どこへ行くんだ?!」

(げっ…先生じゃん…。)

「あ…先生!!あれ何?!」

「ん…?」

先生はくるりと私が指を指した方に顔を向けた。

その瞬間、私は走り出した。

「何がだ?あっ…おいっ!!」

先生はしばらく追いかけてきたが、追いつけなかったようで諦めて戻って行った。

私は千の元へと向かった。

コンコンっ。

「はい。」

ガチャッ。

「千…来て…あげた…よっ…。」

私は息を切らしながら言った。

「何だ?先生にでも見つかって逃げてきたか?まあいいか。入れよ。」

「何の…用っ…?」

「うーんとね…あ!!お前、上村の事忘れた?」

「暁君の事?」

「そっ♪」

「まあね。微妙に好きな人もできたし!!」

すると千は真面目な顔になって言った。

「俺、秋花がすきだったんだよね。最後に別れたときから。」

「えっ…。」

「俺ともう一度付き合ってくれる?」

「…うん。いいよ。でもね、一つだけ約束して?」

「うん?」

「付き合っている事、誰にも言わないで。私も言わない。」

「えっ…どうして?!」

私は裕貴の事を正直に話した。

「そっか…わかった!!」

千は納得してくれ、こうして私達はスタートした。