「私ね、4月に好きになったんだあ。体力テストの時、マラソンで1位とっちゃったでしょ?惚れちゃったんだあ。終わってから、"1位おめでとう"って言ったら"ありがとう"って。たったそれだけしゃべっただけなのに、千君を好きになっちゃった!!」

裕貴は照れながら話してくれた。

「そうなんだ…千、いいやつだよ!!頑張れ!!」

私は目一杯の笑顔で言った。

なんか…変な感じだ。

この広い世界の中では、みんながみんな一人ずつモテるわけじゃない。

一人の人に集中してしまう事だって多々ある。

みんながみんな幸せになれるわけじゃない。

だから、同じ人を2人の人が好きな時、片方が幸せになれば、もう片方は不幸になる。

これは仕方のない事なんだって受け止めなければならない。