千は自分のクラスのバスに私を乗せ、自分の隣の座席に座らせた。

千は私に目薬をうつと、聞いた。

「何があった…?」

優しい千に嘘なんかつけるはずもなく…私は言った。

「失恋した。…夢の…好きな人が…女で…私の…中の…好きな人の…うっ…えっ…。」

私は、もう何が何だかわからなくなっていた。

「ちょっ…お前…ちゃんと言えって!!」

私は暁がすきで、でも暁の好きな人は夢の中の人で、その人との約束を果たすために、その人を待っているため失恋をしたことを千に話した。

すると千は「そうなんだ…。」

と、私の身になって話を聞いてくれた。

その時!!

「発車致します。」

運転手さんが言う。

担任の日田先生が点呼をとり始めた。

「A班、全員いるか?」

「はい。」

………

「E班、全員…」

そこまで言い、こっちに歩いてきた。

「どうして秋花さんがいるのかな~?」

「バス、間違えちゃいました☆」

バス内にどっと笑いが起こった。