そして時は流れた。

明日がお雪の…結納の日だ…。

今宵もお雪は泣いていた。

それを見て、俺は深く眠りについた。

「…凜、…凜!!」

まだ外は暗く星が瞬いている時、お雪は俺を起こした。

「どうした、お雪?」

「夜が明けたら…私の結納の日です…。」

「ああ…。」

お雪の顔がまだよく見えない。

「凜は私を愛していますか?」

だんだんとお雪の顔が見えてきた。

「ああ。愛している。お雪は?」

「私も…愛しています…!!」

月夜の光りに照らされたお雪は…泣いていた。

するとお雪は俺を強く抱き締め、言った。

「愛しているの。凜を愛しているのよ…!!こんなにも…!!なのに…どうして他の男の方の元へ行かなければならないの?嫌だわ!!凜といたいわ…私…凜と生きていきたいわ…。」

お雪は美しいその瞳に溢れんばかりの涙をため、強い眼差しで俺を見つめていた。