「戻ろうか…。」

「ええ…。」

お雪が危なっかしいからとはいえ、手をつないで歩くのは少し緊張した。

すると「誰だ?!」

…山賊だった。

「名を名乗れ!!」

山賊は刀をこにらに向け、近寄ってくる。

「ふもとの村に住んでいる春花谷凛太郎です。」

「凛太郎か…。そちらの娘は?」

「お雪と申します。」

丁寧にお雪が答えると山賊が言った。

「ここらは我らの縄張りだ。賊長や他の者に見つかれば殺される。あいにく俺は、人を殺す事は好んでいない。俺の意により凛太郎とお雪を逃がす。すぐさま立ち去れ!!」

「ありがとうございます。」

俺はお雪を連れ、すぐに山を下りた。

そして少しお雪に話をした。

「お雪、お前は誰か愛しておる者がおるのか?」

お雪は赤くなり、答えた。

「ええ。おりますとも。」

俺は自分の気持ちを伝えた。

「俺はお雪を愛している。生涯共に生きてゆきたい!!」

「有り難きお言葉。」

お雪は言った。

「では…!!」

するとお雪は答えた。