「受験票持ったね?筆箱と…参考書!!」

焦っているお母さんを見て、冷静に答える。

「持ったよ。大丈夫だから落ち着いて。終わったら連絡するから。」

そう言い残して家を出た。

空を見上げると日差しが眩しく照っていた。

私は自転車に乗り、県2の高校に向かって自転車をこぎ始めた。

会場に着くと、受験生が結構集まっていた。

みんな参考書を広げていたが、開く気になれず、携帯を取り出す。

卒業してから1度も触らなかった携帯。

今日だけは、電話連絡のために返してもらった。

メールの欄を開くとメールが結構きていた。

私はフォルダ分けしていたため、登録していないアドレスだけは【受信フォルダ】に入るようになっていた。

1件…。

【受信フォルダ】にメールが入っていた。

おもむろにそのメールを開く。

『頑張れ』

しばらく考えたが、誰からなのかわからないまま入試が始まった。