廊下を歩いていると、千の教室から千の声がした。

「ハンドクリームと絆創膏貸して!!俺、伴奏やるのにさ、あかぎれと霜焼けじゃ、弾けねーもん!!」

「いいよ!!ちょっとね(笑)」

「ハンドクリーム少ねっっ!!」

「あははっ☆」

千と楽しそうな女の子の声…。

胸が痛かった。

ほんの数ヶ月前までは私がしていたことなのに…。

同じ情景が甦ってくるーーーーー。

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「秋花~…ハンドクリーム…!!」

「また霜焼け?!本当に小学校の頃からー…。手、出して。」

「秋花、ならんくなったじゃん。」

「こまめに塗るようにしたんで♪」
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「やだっ…!!」

成美と愛心が心配して、足早に歩いてくれた。

「秋花、大丈夫?」

愛心の優しい声が耳に響いた。

「あ…うん。大丈夫。」