泣いた顔で保健室へ行くと、保健の先生がすぐにベッドを用意してくれた。

私はベッドに横たわると、声を抑えて泣き続けた。

多分、明日卒業だということもあったかもしれない。

ずっとそばにいた…。

ずっとずっとそばにいた…。

大切な千が今はそばにいない。

それがすごく悲しかった。

そして私は知らないうちに寝てしまっていた。

先生に起こされて目を覚ます。

朝から2時間寝ていたため、体育館に戻るように促されたが、しばらくしたら行くと答え、じっとしていた。

ガラガラッ。

保健室のドアが開き、誰かが入ってきた。

すぐにわかった。

千だ…。

千と…唆弥…。

千と唆弥の会話が耳に入る。

「千さ、まだすきなんじゃねえの?」

「秋花のこと?すきじゃないよ。」

「あんなにすきだすきだって言ってたのにな…。」

「報われない想いの方が多いんだよ。秋花のことは本当にすきだった。だけど、秋花はすきになってくれなかった。それだけのことだよ。」

違うよ…千…。

「でも、今秋花は千がすきなんじゃん?今からはだめなの?」

私が聞きたかったこと…。

唆弥が千に聞いてくれた。

千の答えが聞こえた。

「もう遅いんだ…。俺が今すきなのは秋花じゃないから…。」