選抜試験が終わり、一般入試まで2週間となったある日、私は学校を休んでお母さんと家庭裁判所へ行った。

親の離婚…。

裁判官を通じて、お父さんと話をした。

直接会うことはなかったけれど…。

そして、お父さんとお母さんの離婚の理由も聞いた。

お父さんがした事…家のお金や会社のお金を持ち出して、自分のために使っていたこと。

動いていたお金は、何千万という単位だった。

だから、許せることじゃなかった。

お父さんは、離婚してから、月の養育費を15万払うことを約束してくれた。

自分が悪かったから…って。

一番心配だったのはお母さんのこと。

離婚して、私達3人を養っていけるのかどうかということ。

帰りの車の中、お母さんは笑っていたけれど、手が震えているのを見た。

女手ひとつで、これから15万の養育費と自分が稼ぐ給料で3人の娘を養う…すごく大変なことだってわかってる。

お母さんは離婚できてよかった、と言っていた。

だけど私の本音はね、《私は受験で頭悩ませてるのに、余分な事まで悩ませないで。》だったんだ。

今だから言える。

お母さんも大変だったのに、ごめんなさい。