新学期が始まった。

宝は今日も学校に来ていない。

美麗は学校が終わると、病院へ直行していた。

ある日、学校が終わり、美麗が病院へ行って少ししてから家を出て病院へ向かった。

その日は私が美麗に付き添う番だった。

コンコン。

「はい。」

「秋花だよ。入るね!!」

しばらくして、美麗が口を開いた。

「家庭大丈夫?」

「そろそろ離婚しそう。1度もお父さん戻ってこないし。」

「そっか。秋花さ、進路はどうするの?」

「ん~…これといって目標もないし、私も高校行くのやめようかな。美麗、心配だしさ。」

「後悔しないの?」

「わかんない。するかも。でも、美麗のそばにいたいし。」

「それ…余計なお世話って言うんだよ…。」

美麗がぽつりと言った。

「え?」

私が尋ねる間もなく、美麗は言った。

「高校行ける環境下にいるんだから行きなよ!!後悔するかもしれないならやらない方がいい。あたしが心配?そんなんただのエゴでしょ?!失恋とか離婚とかから逃げてるだけじゃん。意地で高校入ることが秋花がすべきことなんじゃないの?」