年も空けた頃、宝が私立の推薦入試を受けると聞いた。

宝は県1の学校を志望していたが、家が母子家庭ということもあり、私立の推薦入試で奨学金制度を受験するようだった。

私は県2の学校をずっと志望してきていたが、今は行く気がなかった。

…というより、美麗が心配だったのかもしれない。

私立の推薦入試がすぐそこに迫ってきているために、塾でも入試対策により一層力が入る。

私には関係なかったのだけれど。

そう…あの時までは。