ピンポーン。

ガチャ。

しばらくして悠真のお母さんが出てきた。

「あらっ…美麗ちゃん!!」

「あの、手紙読んで…。」

「上がってゆっくり話しましょうか。秋花ちゃん達もどうぞ。」

「「お邪魔します。」」

私達は部屋に上がった。

静まり返った空気の中、口を開いたのは悠真のお母さんだった。

「読んでくれたのね。美麗ちゃんはまだ若いし、受験もあるし、悠真を忘れて、自分の人生を歩んでいってほしいわ。その方が美麗ちゃん、幸せになれるもの。」

「おばさん…それは違うの。あたし、悠真に出逢えてよかったって思ってる。あたしがすきなのは、今もこれからも悠真だけなの。悠真のいない人生なんていらないの。」

美麗が答えた。

「悠真は目覚めないのよ?そんな悠真と一緒でいいの?」

「悠真といた時間はあたしの宝物なんです。悠真がもう二度とあたしの名前を呼ぶことがなくても、想い出があるから。悠真といれるだけであたしは幸せなの。」

美麗の強い想いは悠真のお母さんに伝わったようだった。

「悠真が美麗ちゃんを選んでくれてよかったわ。悠真といることを幸せだと言ってくれるなら…これからもよろしくね。」

悠真のお母さんも泣いていた。