教室へ戻ると、みんな給食を食べ始めていた。

私はフラフラと自分の席に着いた。

千を失くした哀しみからか、何も考えられなかった。

私を心配して、担任の先生が声をかけてきた。

「秋花、来い。」

私は立ち上がって、先生の机のすぐそばに腰をおろした。

「どうした?」

私は千との恋の話の一部始終を話した。

話し終える頃には、先生は給食を食べ終えていた。

「千が出した決断は自分と秋花を想っての決断なんだと思うな。」

「どうして…?」

「これ以上待っても秋花は戻って来ない。それならいっそ、諦めて別の恋をした方が自分は幸せになれる。秋花も想われて迷惑してるかもしれない。俺が諦めたら秋花は自由に恋愛するだろう。」

「私、そんなの望んでなかった…!!」

「秋花は千を待たせすぎたんだよ…。」

先生の言葉が耳に入ってこない。

時間が戻ればいいのに…。

過去に戻ってやり直したい、と、本気で思った瞬間だった。