残された私と裕貴は静かに教室へと戻った。

授業中もいたたまれなくて、何度も裕貴とアイコンタクトをとったり、携帯をチェックしたりしていた。

授業が終わり、私は裕貴と連絡を待っていた。

その時、携帯が鳴った。

「もしもし!!」

「秋花~…悠真助かったよ~…。」

「よかった…。何があったの?」

美麗は悠真の姉の真桜から聞いた一部始終を話してくれた。

悠真は土木関係の仕事をしている。

木材を運んでいる途中、上で作業をしていた人が、足を踏み外してしまい、咄嗟に近くにあった鉄筋を引っ張ってしまったため、下を歩いていた悠真の上に、鉄筋が落ちてきたのだった。

「後遺症とかない?」

「目を覚ましてからじゃないと何もわかんないって。」

それから毎日、学校が終わると美麗が病院に通っていたのは言うまでもない。