「やっぱりね!!」

宝は表情には見せなかったものの、手は震えていた。

「みんなあたしが嫌いだったって事か。」

「違うっ!!」

私は立ち上がって反論した。

「何が違うの?結局は省かれたんだよ!!」

宝は荷物を置いたまま、部屋を出、玄関から飛び出して行ってしまった。

なぜ追いかけなかったのか…。

人はどうして人を非難し、自分を甘やかすのか…。

被害者は私じゃなくて宝だったのに…。

私は宝の鞄を持つと、宝の家に向かった。