目が覚めると、辺りは明るくなってきた頃だった。

「あっ…大丈夫か?」

千の膝の上で眠っていたようだった。

「あ…うん…。」

「親に連絡いれといたから。」

「ありがとう。えっと…私…。」

千がゆっくり話してくれた。

私が男達に襲われかけたこと。

千と友達があの道を通っていたこと。

私の携帯に気付いたこと。

嫌な予感がして車の中を見たこと。

私を助けるために、男達とけんかをしたこと。

警察を呼んでくれたこと。

「千…ありがとう…。」

「よかった…!!気付けてよかった!!」

千は私を強く抱き締めてくれた。

千の腕は私を安心させてくれた。

千は家まで送ってくれた。

「本当にありがとね。」

「おう!!」

そう言って、千は帰っていった。