街灯のない暗い道が続く。

「やだなあ…。やっぱり遠回りすればよかった…。」

私は携帯を取り出して、音楽を聞き始めた。

しばらくこいでいると、前方にワゴン車が停まっていて、3人くらいの男が溜まっていた。

その光景を見た瞬間、私の頭をよぎったもの…。

レイプ…。

私は携帯小説がすきでよく読んでいた。

レイプ体験の事はよく書かれていた。

それを読む度に、「大声で逃げればいいのに…。」といつも繰り返していた。

「馬鹿だねー。恐怖で声なんて出るわけないじゃん!!」

幸達といつも異見していた。

「でも、人間はいざとなると、すごい力出るらしいよ。」

宝の言葉の意味を私は理解し違えていた。

ふと我に返り、元来た道を引き返そうとすると、後ろから走り音が聞こえてきた。

「何してるの~?」

男の1人が私の腕を掴む。

「離してっ!!」

「だめ~。」

そういうと私を持ち上げ、車へと運んだ。

抵抗すると頬を叩かれた。

「おとなしくしな。」

(恐い…!!そうだ、携帯!!)

携帯は車の前に落としてきてしまった。

だけど、それが幸いだった。

バンッ…バンッ…

車を叩く音がした。

1人の男がドアを開けた。

「秋花っ!!」

涙ぐむ目の中に飛び込んできたのはぼんやりとした光景…。

その中央には、愛しい人の姿。