気付いたのは病院のベッドの上だった。

「秋花!!」

目を開けると、瞳いっぱいに涙をためたお母さんの顔があった。

「お母さん…。」

「先生呼んでくる!!」

妃優は医師を呼びに行った。

しばらくすると医師がきて私に二言、三言質問をすると笑顔で病室を後にした。

「お腹空いたでしょ?お母さん達、何か買ってくるわね。」

そう言うと、妃優と里穂を連れて病室を出て行った。

外を見ると真っ暗だった。

(私そんなに寝てたのかなあ?)

携帯が机の上に置いてあったので開ける。

履歴が千からの電話でいっぱいで、千からのメールもいっぱいだった。

『今電話してもいい?』

『電話したけど、出れない?』

『何かあった?』

『辛いことあるなら聞くよ?頼っていいんだからな!!』

『また電話する。』

『このメールと着歴見てたら連絡くれ。』

優しい千がいっぱいで…すごく安心したの。

"千を選んでよかった"って心から思ったの。

私は千に電話をかけた。