駅に着くと、美紗がもう待っていた。

「おじいちゃんありがとう!!」

「帰りはどうするんや?」

「友達のお母さんが送ってくれるの!!」

そう言うと、手を振り、行ってしまった。

「美紗っ!!遅れた~…。」

「いいよ♪行こっ!!」

まだ夕方なので、辺りは明るかった。

美紗と食べ物を食べたり、座ってしゃべったりして時間を過ごしていた。

花火が始まると、歩いていた人も足を止め、花火に見入っていた。

子ども連れの親子、仲良く肩を並べたカップル、笑い話の絶えない友達同士…みんなが幸せそうに見えた。

花火はクライマックスを迎えていた。

私は花火を背景に美紗と写真を撮った。

花火が終わり、続々と人が帰る中で、一人の姿を見つけた。

愛しい人の姿を。