そんな会話をしつつ待っていたら、手術終了予定の時間になってきた。
先生が出て来て、家族が呼ばれた。

先生の言葉は、はっきりいって全然正確には思い出せない。
それだけ私も父も、パニックになっていたんだろうと思う。

『悪い結果で残念なんですが、結腸の部分を塞いでたのが、悪性の腫瘍でした。(取り除いた部分の臓器を見せて)この黒い部分がガンなんですね。かなり大きく取り除いたんですが、撒種型と言いまして、種のように散らばってるのが見えまして、これが腹水にプカプカ浮いてたりすると、もうどうしようもないんですね。あと、とった部分を病理検査に出してみないと正確にはわからないけど、リンパには3つの壁があって、目で見て2つ目の壁まで行ってる感じでした。第3の壁まで行ってる可能性が高いと思います。』

私も父も、信じられないような気持ちで黙って先生の言葉を聞いていた。
ガンなんて思ってなかったし、そんなに進んだ最悪のガンなの?!
ちょっと2週間位便の出が悪く、血が混じったくらいで…そんなに酷いの?!

「あとどれくらいもつんですか?」
自分の口からそんな言葉を発しなければいけないなんて……

『最悪で3ヶ月…3ヶ月から半年くらいかな。』
悪魔の宣告。
目の前が真っ暗になるって、こういうコトなんだ。