少女は俺の頬を触っている。
細くて綺麗な指先は、真っ白なカーテンが風で緩やかに膨らむように優しくて柔らかい。

｢これが真実でしょ??」

少女の言ったことは事実だ。俺はおばあさんを殺してしまった。
俺は瞼を閉じて事件の経路を歩き始めた。

｢あぁ、おばあさんを殺したのは俺だ。市の奴らがあの土地に病院を建てようと計画を進めていたんだ。周りの市民は高額な立ち退き金に喜んで立ち退いた。しかし、おばあさんは死んだおじいさんと暮らしてきた家から離れることはなかった」

少女は綺麗な笑顔を浮かべている。

｢おばあちゃんらしいわね、美しい心を持ってる」

俺はそんな少女に笑みを向けた。

｢おばあさんが言うことを聞かないとわかった市の奴らは俺たち家族に金をちらつかせ殺害を依頼した。その頃は多額の借金を抱えていて生きるのが苦痛だった俺たち家族は自分たちの生活のためにおばあさんを殺害することにしたんだ」

少女は何も言わずただ俺を見ている。

｢初めて君に会ったあの夏から計画が始まっていたんだ、いきなり行くと怪しまれる可能性があるから夏休みを利用すれば自然な流れで泊まることができる。そしてバレないように毎日おばあさんの食事に毒を少しづつ入れて殺害する計画だ」

少女は計画を聞いて少し悲しそうな表情をしていた。