私は今でも忘れはしない。あの出来事を………………。




私はおばあちゃんと仲が良く、私のことを本当の孫のように接してくれたの。
そして、おばあちゃんの家に遊びに行くのが日課になった。

そして、あの夏が来たの。
お兄ちゃんは夏休みを利用して田舎のおばあちゃんの家に遊びに来た。
最初は誰だろうと思ったわ、おばあちゃんを取られる気がして怖かった。
でも、お兄ちゃんは優しくて太陽みたいにぽかぽかした人だった。

それから、お兄ちゃんに会えることが楽しみになったの。
私の幼稚な夢を優しい瞳で写してくたり、手も握ってくれた。
お兄ちゃんは知らないと思うけど、あの時針を添えている風船のように私の心臓がいつ破裂してもおかしくないぐらい鼓動か速かったのよ。
ませた子供でしょ。

でもね、そんな幸せな日々にも期限があった。
お兄ちゃんの夏休みが終わりに近づいていたから。
最後の日はとても寂しかったわ。

バス停でお兄ちゃんの背中を見つめながら甘酸っぱい風が身体の温度を下げているのがわかった。
けど、お兄ちゃんが何度も握ってくれた私の手は温かかった。


それから夏が終わり、秋の香りが匂い始めた頃だった。
私は、いつものように私はおばあちゃんの家に向かった。