口の中が甘ったるさで味覚を刺激して唾液が大量に分泌している。

それは飴玉だけの甘さでは無く、少女の甘さも含まれている。
少女は麻酔で眠っている化け物三体を眺めながら楽しそうに言葉を放った。

「この子たちを美しくしてあげないとね」

確かに硫酸を頭から被って身体の細胞が破壊され、健常者だった面影がまるでない。

そして少女は手術台に乗っている細身の男の前に立ち、ショルダーバックから鉄の塊を取り出した。

先端が鋭く光る、刃の表面が鏡のように俺の姿を小さく映し出している。
医療用ナイフ、メスだということが確認できた。

その時、改めて自分の姿を目にしたのだが、あまりにも滑稽な姿で手術台に乗っている物体と同類に見え、思わず笑いを溢した。

少女は手術台に乗っている物体の下腹部にメスの先端を軽く乗せてゆっくりと線を描くように下に向けてスライドした。

下腹部には一筋の赤い線が現れ、その線から生命を感じさせるように血液が流れ落ちている。

それから切開した下腹部を肉を左右に引っ張り、医療器具で切開した下腹部を拡げた。

胃や腸が姿を見せている。少女はその光景をうっとりとした表情をしている。

「とても綺麗だわ。こんな神秘的なものなんて思わなかったわ」

そして、少女は切開した下腹部に手を突っ込んだ。