目を覚ますと奴らが手術室にいた。
俺が埋まっている壁の面を上等な革靴で蹴っている。俺が奴らの方に目をやると不愉快な笑顔を向けているのが分かった。

人数は三人できっちりと黒いスーツを着ている。
今日はビデオカメラを持ってはいない。

ちらっと、奴らが立っている真上の天井を見ると少女がひょっこりと頭を覗かせている。
奴らは少女の存在に気づいていない。

少女は俺と目が合うと骨格を上げて笑ってすぐに頭を引っ込めた。

すると、三人組の一人が喋りだした。
身体の線は太いが余計な脂は無く、以外に清潔感がある。

「君には興味が無くなった。稼ぐだけ稼がせてもらったよ。もう、分かるよね??君はもう必要ないってこと」

恐らく、こいつが組長なのだろう。
威圧感はないが冷静で冷血な印象を俺に植え付けた。

今日、俺の生命を奪おうとしているらしい。
さすが弱肉強食の時代だと思う、弱者に食らいつて優越感に浸ることを生きがいにしている。
まるでごみのように。

奴らは俺に黒い物体を向けている。恐らくは拳銃だろう。
情けでもかけてくれているのだろうか、一瞬で楽にしてくれるらしい。

しかし、奴らの頭上から透明な液体が大量に降り注がれた。
まるで滝のようだ。
まぁ、神秘性はまったくない。

多分、硫酸だからだと思う。